群馬県の建設業許可専門行政書士のブログ

群馬県高崎市の行政書士です。 建設業許可を取ることが得意なので、特に新規でこれから許可を取りたい方向けに情報提供しています。

法人成りをして建設業許可番号を引き継ぐには?【群馬県版】

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昨年、建設業許可を取った個人事業主のお客様が法人成り(会社設立)をしました。

 

法人成りすると、個人で取得した建設業許可は廃業し、法人として新規で建設業許可を取り直さないといけません。(令和2年10月1日建設業法改正により個人から法人への許可の承継が認められることとなりました)

 

その際、建設業許可証の番号は変わってしまうのか?という質問をよく頂きます。

 

結論から言いますと、条件付きで個人のときの許可番号を法人に引き継ぐことは可能です。

 

群馬県の場合、以下の要件をすべて満たすと許可番号を法人に引き継ぐことができます。

 

  1. 許可を持っていた元個人事業主が、法人の代表取締役代表社員)になっていること
  2. 許可を持っていた元個人事業主が、法人の過半数の株式を所有していること
  3. 事業年度が継続していること(個人事業を廃業して数年した後に法人成りしたような場合はダメ)
  4. 個人の建設業許可を廃業すること(法人の申請と同時に廃業届を提出)
  5. 個人事業主であった間、建設業法で規定する変更届出書(決算等)を適正に提出していること

 

1、2は法人設立登記をする段階で、司法書士と打ち合わせをしてしっかりと準備しておかなければいけません。ただ、司法書士は建設業許可の専門家ではないので、こういった話を知らない方がほとんどだと思います。なので、法人設立登記をする前から建設業許可専門の行政書士にも相談することをおススメします。

 

一番気を付けないといけないのは、5でしょうか。

 

許可業者さんの中には、決算終了後4ヶ月以内に変更届出書を提出しないといけませんが、この期限を守らずに、5年毎の更新時にまとめて提出する、という方がいます。

 

そういった建設業法で規定された期間内にまじめに届出をしない業者さんには、許可番号の引継ぎを認めてくれないのです。(これはうっかり許可更新を忘れて、新規で許可を取り直す場合にも同じ扱いです)

 

過去の行いはやり直しがきかないので、特に、現在個人事業主さんで将来的に法人成りを検討されている方は注意が必要です。

 

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電気工事業者さんが建設業許可を取る前にやるべきこと

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最近、電気工事業で建設業許可を取りたいという依頼を受けることが多くなりました。

 

建設業許可を取りたいという方は急ぎの場合が多いのですが、電気工事の場合は、まず、『電気工事業登録』をしていないと、建設業許可を取ることができません。

 

ちゃんと登録している業者さんであれば、すぐに建設業許可申請をすることもできますが、そうでない場合は、まず登録から始めないといけないので一手間かかります。

 

電気工事業登録は建設業許可申請に比べれば簡単ですが、ただ書類を出せば良いわけではなく、特に主任電気工事士になる方の資格が第二種の場合は3年以上の実務経験が必要になり、少しやっかいです。

 

電気工事業登録は、群馬県の場合、管轄の行政県税事務所に申請します。

https://www.pref.gunma.jp/07/a0710076.html

 

申請すると1週間程度で登録証が届きます。

 

登録した後、管轄の行政県税事務所による営業所訪問などの調査が2年置きくらいにあります。

 

この調査の時、登録票を掲示しているか、使用している工具(アース、テスターなど)はどういうものか等をチェックされます。

 

建設業許可の場合、現地調査などはありませんが(群馬県の場合は写真の提出のみ)、電気工事業登録は、登録したら終わりというわけにはいきません。(建設業も決算報告など色々な届出の義務があります)

 

また、建設業許可を取ったあとは、『みなし登録電気工事業者』になるため、今度は『電気工事業開始届出書』の提出が必要になります。

 

このように、電気工事業は他の業種とちがって少しめんどくさいです。

 

意外と大変そうだな!と思った方は専門行政書士にご相談ください。

 

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専任技術者の常勤性の意味と確認方法【群馬県版】

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 『専任技術者が常勤でいること』ってどういう意味?

建設業許可を取るには、専任技術者を営業所に常勤で置いていることが必要です。

 

この『常勤』という言葉は

『仕事中は、基本ずっと営業所にいますよ』という意味だと思ってください。

 

なので、原則、専任技術者は現場に配置される主任技術者等と兼任することはできません。

 

もちろん、専任技術者が他社の従業員や役員を兼業したり、自分で事業を行うこともできません。

 

当たり前のことですが、実態がないのに資格者等が名義貸しをするのは違法です。

 

常勤性の確認方法1:会社の保険証を持っているか 

県庁では、専任技術者の常勤性を確認するために、会社であれば会社の保険証、会社が社会保険未加入の場合や専任技術者自身が個人事業主の場合は国保の保険証等の提出を求めてきます。(他にも確認方法はありますが割愛します)

 

通常、会社の社会保険に加入する義務があるのは役員や正社員等常勤の方なので(今後はパート、アルバイトの方も加入する方向ですが)、許可申請をする会社の保険証があれば一発OKで常勤性は認められます。

 

ヒソヒソ話

(僕は社労士でもあるのでわかるのですが、たとえば2ヶ所の会社に勤めている場合、1ヶ所だけでなく両方の会社で社会保険に加入することができます。ただし、保険証は1枚しか発行されませんが、この1枚をどの会社で発行するかは自分で選ぶことができるのです。なので、必ずしも会社の保険証を持っていることがその会社に常勤しているとは言えないのですが、今のところこの方法で群馬県は常勤性確認をしています。)

 

常勤性の確認方法2:他社から給与が支払われていないか

専任技術者は他社との兼業がアウトですから、許可申請をする会社以外で給与が支払われている場合、申請はとおりません。

 

他社から給与が支払われているかなんてどうやって調べるんだ?と思われるかもしれません。

 

たとえば、こんな場合があります。

個人事業主でずっと建設業をやってきた方が、専任技術者と経営業務の管理責任者になって許可申請する場合、過去の確定申告書の控を提出します。

 

その確定申告の収入の欄に給与収入があった場合、『事業の他に給与収入があるんですか?』と県庁の担当者は聞いてきます。

 

もちろん、その給与が過去に支払われたもので、申請日時点では退職して給与が支払われてないのであれば問題ありません。(その場合でも源泉徴収票等退職したことが分かる書類を出すように言われます)が、もし申請日時点で退職していないとなると、常勤性がないと判断されて申請書類は受け取ってもらえません。

 

ここで実際にあった話を二つ。

 

一つは、建設会社の役員をやりながら学校の理事(非常勤)で月8万円程度の報酬を取っていた方が専任技術者になろうとして認められなかったことがあります。

(この方には理事を辞任してもらい、その後申請がとおりました)

 

もう一つは、自営業で建設業をしながら消防団に入っていて年間5万円程度の報酬が支払われていたという方でしたが、この場合は常勤性を認めてもらえました。

(さすがにこれが認められなかったら、消防団に入るのはダメと言われているようなものですよね・・・)

 

常勤性の確認方法3:営業所に通える場所に住んでいるか?

専任技術者になる方が営業所から遠い場所に住んでいると常勤性を認めてもらえない場合があります。

 

基準としては、『営業所から片道2時間以内の場所に住んでいること』となっています。

 

実際にあった話では、長野県に住所がある方を専任技術者にした事例で、自宅から営業所最寄のインターまでのETC料金の明細を出して認められたことがあります。

また、神奈川県に住民票がある従業員を専任技術者にした事例では、社宅の賃貸借契約書(専任技術者の氏名を利用者として記載したもの)を提出して認められたこともあります。

 

このように、専任技術者になろうとする方が営業所から離れた所に住んでいる場合は、『実際に営業所まで通っているよ』ということを書面で説明する必要があるわけです。

 

ざっと書いてみましたが、建設業許可申請で専任技術者の常勤性は重要なポイントです!これが認められないと申請書を受け取ってもらえません。

しっかり準備をして万全の態勢で申請に臨みましょう。

 

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