M&Aで役員、株主などが変わった場合の手続き【群馬県版】
今週は少し珍しい案件をお手伝いしました。
前に私が許可申請をした会社のオーナー社長が、M&Aである会社に株式を売却したのです。
新しく、買い手の会社から役員が2名入り、代表者も代わりました。
こういった場合、建設業許可業者はどんな手続が必要になるでしょうか?
役員、株主、代表者の変更は、届出が必要
建設業法では30日以内に変更届出書を提出しないといけません。
ちなみに建設業法でいう役員に監査役は含まれないのでご注意を。
株主も全株の5%以上を取得した個人の株主だけが届出の対象になります。
この『個人の』というところがポイントで、今回株主になったのは会社(法人)なので、株主の変更については届出書を提出する必要がありません。
相続などで個人から個人へ株式が異動する場合は届出が必要になります。
この変更届出書、手続的には大したことないのですが、変更があった日から30日以内に提出する義務があるので、期間的にとてもシビアな手続です。提出期限を過ぎると始末書も一緒に出さなければいけません・・・。(ちなみに専任技術者など許可要件に関わる変更は2週間以内です)
役員変更の場合、県庁への届出は登記が終わった後になるので、登記と並行して添付する証明書類などの準備もしていかないと間に合わなくなります。
よくあるのが、社長が死んでしまった場合。
ふつう、49日も過ぎない内に、登記を終わらせて県庁に届出を出そうと思う人はいないと思うのですが・・・。そういう場合でも期限が過ぎれば始末書を出す羽目になります。
そのあたりは僕たち行政書士が気を付けないといけない所だと思いますが、もう少し時間的余裕があっても良いんじゃないかなと思います。
5年経ったのに建設業許可が取れない・・・なんてことあるの?【群馬県版】
開業(法人を設立)してから5年以上経っている。
毎年確定申告もしている。
資格、実務経験もある。
・・・なのに、建設業許可が取れないことがあります。
たいていの場合、この3つがクリアできれば許可は取れるケースが多いのですが、こんな場合は許可が取れません。
1.常用の経験しかない場合
たとえば、あなたが一人親方で、ある会社の下請けでお仕事をされてきたとします。
でも、それが常用(手間請け、人工)である場合は、建設業許可を取ることはできません。
建設業許可を取るには、最低でも5年以上、建設業を経営した経験が必要ですが、この経営経験に常用の期間は含めることができないのです。
経営経験は「建設工事に関わった期間」を言いますが、常用は建設工事には当たらないと解釈されているからです。
他にも、草刈、除雪作業、樹木の伐採、清掃、保守点検なども建設工事には該当しないので注意が必要です。
2.暴力団関係者、刑事罰の前科等がある場合(欠格要件)
禁固以上の刑で執行猶予中
5年以内に傷害罪で罰金刑を受けたことがある
暴力団関係者である
このような方が、事業主本人、会社の取締役や株主であると許可を取ることができません。
『そんなこと、言わなきゃ分かんないんじゃん?』
と思われるかもしれませんが、それほど甘くありません。
群馬県の場合は、『照会対象者の一覧表』という書類に役員の氏名等を書いて許可申請書と一緒に提出します。
この書類は、窓口の建設企画課から群馬県公安委員会(警察)へ申請者や役員などに前科や暴力団関係者がいないかどうか照会するのに使われます。
なので、黙っていればわからないは通用しないのです。
今のところ、私の経験上、これが原因で不許可になったことはないのですが、他の行政書士の先生の話を聞いていると、たまにあるんだそうです・・・。
「前科ありますか?暴力団関係者じゃないですよね?」
と、行政書士もあまり突っ込んで聞きづらいところなので、不許可になって初めて知るということが多いそうです(汗)
群馬県で確実・スピーディーに建設業許可を取りたい方は