建設業許可を取るデメリット【群馬県版】
建設業許可を取ってデメリットなんてあるの?
と思われるかもしれませんが、あります。
そして、多くの行政書士はその点を依頼者に丁寧に説明していないのではと思います。
僕は、建設業許可を取りたいというお客さんに対しては一番はじめにこのデメリットをお伝えして納得頂いてから依頼を受けています。
許可を取ってから、そんなの聞いてなかったよ!とならないように今のうちに許可を取るデメリットを押さえておいてください。
許可業者は毎年の決算書を公開されてしまう
許可業者は、毎年決算が終わった後、4ヶ月以内にその年の決算書と1年間の工事実績を県庁に報告する義務があります。(決算変更届の提出)
この報告をする事務手間が(行政書士に依頼すれば当然コストも)かかります。
この報告をしていないと、5年ごとの許可更新をすることができません。
意外と知られていないのですが、許可業者が県庁に提出した申請書類等は群馬県庁に行くと誰でも無料で閲覧することができます。※役員の生年月日等の個人情報が含まれるものは閲覧できません。
この決算変更届も例外ではないので、許可業者の決算書は県庁へ行けば誰でも見ることができるのです。
当然、売上規模、現預金の資産や借入金などの負債がどの程度なのかは丸見えになってしまいます。ただし、売掛金の取引先など勘定科目の内訳までは公開されません。
でも、実際に県庁までわざわざ決算書を見に行く人なんているの?と思われるかもしれませんが、いるのです。
ただし、一般の方ではありません。
一般の方はそんな制度があることすら知らないでしょう。
閲覧に来るのは調査会社等の業者さんです。僕が県庁へ申請に行くと必ずいます(笑)ほぼ毎日のように県庁へ来ているのでしょう。業者さんはパソコン持参でずーっと作業しています。
なので、決算書を見られたくないなぁという会社であっても、許可業者である以上、例外はないのでこの点は気を付けてください。
許可を取った後のお話しですが、許可業者さんは許可票(金看板)を作って掲示しないといけません。そして、看板業者さんが許可を取った業者さんの所へ営業の電話をかけてきます。
何でウチが許可取ったこと知ってるの!?
とお客さんも驚かれるのですが、県庁へ行くと、新規に許可を取った業者さんの名簿がやはり誰でも見れるようになっているのです。この名簿を見てから申請書類を閲覧すると会社の電話番号が分かるので、それを見て看板業者さんは営業してこられるのだと思います。
下手をすると、僕がお客さんに許可が取れたことを連絡するよりも早く看板業者さんから電話が行くこともあります(笑)
ということで、許可を取ると会社の情報は一般に公開されてしまうというデメリットがあることを押さえておいてください。
建設業許可を取るにはどれくらい時間がかかるの?【群馬県版】
これを読んでいるあなたは、建設業許可をスグに取りたい!と思っていませんか?
建設業許可を早く取りたい!という方はすごく多いです。
僕に相談されるお客さん達は、急ぎで取りたいという方ばかりでした。
それもそのはず。
許可を取りたいと思ったキッカケが、大きな工事を受注できる見込みがある場合や、元請さんから許可を取るように言われたなど緊急性の高い場合がほとんどだからです。
ですから、僕は常に『可能な限り最速で許可を取る』ことを意識して仕事をしています。
群馬県の審査期間は30日以内
群馬県の場合は申請書を県庁の窓口に提出して、その後特に問題がなければ30日以内に許可証が出ます。
この「特に問題がなければ」という部分がミソで、提出書類にミスがあったり、確認資料が一部足りないという場合は、仮に申請を受け付けてもらっても(足りない書類やミスが多い場合は受け付けてもらえません)、書類が完ぺきな状態になってから審査が始まります。
なので、問題なく一発OKならそこから30日以内に許可証が出ますが、追加の書類提出にモタモタしていると許可証が出る日はどんどん遅くなります。
手引きに載っていない書類を確認資料として提出するように言われる場合もあり、行政書士ではない一般の方が一発OKで新規の申請を受け付けてもらうのはまず無理だと思います。
申請を通すために3回も県庁に通った過去
僕も、今では建設業許可申請のプロとして毎月申請をしているので、毎回1発OKで受理されます。たまに追加書類等を求められる場合もありますが、ほとんど想定の範囲内なのですぐに対応できます。
ですが、初めて新規の申請をしたときは内容やコツが分からず、なかなか書類を受け取ってもらえなくて、3回も群馬県庁に通ってようやく受理してもらえました。職員も厳しいので窓口でビクビクしながらなんとかやりきったという感じでした。
行政書士でさえ初めての時はこうなので、一般の方ならもっと通わないとダメだったろうなとその時思いました。
そして、それから何回も申請を繰り返しているうちに、申請のコツがわかってきました。
それは
どんな書類をどう出せば、窓口の職員は気持ちよく受け取ってくれるか??
ということを意識して申請書を作ることでした。
これを理解していると、申請はスムーズに通ります。なので早く許可証がもらえます。
逆にこれが理解できていないと、いつまで経っても書類を受け取ってもらえません。
相手はお役所で働く役人です。
許可を出すかどうかは書類でしか判断できません。
なので、書類が全てなのです。
出された書類がいい加減なものや情報不足のものなら、相手は受け取りたいと思ってくれません。
このポイントを理解しているかが、同じ行政書士でもノウハウを持っている行政書士とそうでない行政書士の違いだと思います。